事例
Case
「リショーネPlus」は、ベッド半分が分離して車いすになる移乗支援ロボットで、抱き上げることなく介助者一人で簡単に車いすへ移乗できます。移乗介助時間や身体的・心理的負担が低減でき、ご利用者も安心して離床していただくことで生活シーンが拡大し、ご家族も満足していただけます。
現場実証
リショーネPlus
発足したばかりのLabにとって初の現場実証案件となった離床アシストロボット「リショーネPlus」。ベッドから車いすへの移乗する際の負担を軽減するテクノロジーとして、Labと開発企業がタッグを組んで現場実証を行いました。その結果、ご利用者とご家族、介護職員、施設管理者の3方が満足する導入成果を得ています。
SIDE
開発企業
介護現場において最も介助者の身体負荷の高い介護ケアの1つとして移乗介助があります。ご利用者をベッドから車いすへ移動することを介助する業務ですが、ロボット技術を用いてこの移乗負担を軽減し、介護をしやすい/受けやすい現場づくりを支援したかったことが、リショーネPlusの開発動機となっています。
Future Care Lab in Japan(以下、Lab)と一緒に仕事をすることになったのは、営業活動として製品説明をしたことがはじまりでした。ご検討いただいた結果、SOMPOケアの介護現場で2週間のお試しレンタル導入が決定しました。その施設では初めてのテクノロジー導入であったため、現場からの反応に不安がありましたが、Labの方々に介護現場との間に入って調整いただいたことで、製品の導入や施設の方とのやり取りがスムーズに進みました。
今後もより多くの施設でご利用いただけるように、介護現場からの改善ニーズをヒアリングし、製品の開発・改良に反映していきます。2025年には日本の人口の3割が高齢者となり、介護を必要とする方は830万人に達すると予測されています。私たちは「ご高齢の方々の暮らしを支えるパートナー」として、ご利用者とそのご家族、そして介護職の方々を含め、すべての人が笑顔になる介護支援に貢献していくことを目指しています。
SIDE
Future Care Lab in Japan
もともと介護施設で、ベッドと車いすの移乗介助を介護職員2名で行っているケースがあり、介護職2名が揃うタイミングを合わせる難しさや、移乗時の抱き上げ介助の腰への負担が大きいという課題が出ていました。開発企業の方から営業活動でリショーネPlusの説明をしてもらった時、ベッドが半分分離して片方が車いすになるこの製品は、課題解決にきっと役立つと考えました。
まずは現場実証のために該当施設に2週間のお試しレンタルで導入しました。Labが設立して初めての現場実証であるとともに、フラッグシップ施設で初めてのテクノロジー導入でもあったので、ホーム長や職員の方々が不安そうで、本当に使いこなせるか半信半疑でした。それが、数日後には職員が使いこなしていて、1週間後にはリショーネPlusを使った方が楽だという声を聞き、2週間後の撤収時には引き上げないで欲しいという声が聞こえ、ご利用者のご家族にも喜んでいただき、正式導入が決定しました。
開発企業の方には、導入前後の効果検証の方法などを丁寧にまとめてもらい、ご本人とご家族、介護職員、施設管理者の3方良しの評価が可視化できたことは、その後のLabのテクノロジー検証にも大いに参考になりました。また、介護施設にテクノロジーを導入する際、対象者像を決めて合致しているかを判断する要件定義の重要性を改めて確認できた事案でもありました。
今後は、介護度が高く対象となっているご利用者がいる施設に積極的に導入していきたいと考えています。この経験を通して、しっかり要件定義を行い、介護現場と開発企業の仲介役となって、必要な人に必要なものをスムーズに提案していくことがLabの役割であり、すべてのテクノロジーに共通することだと学ぶことができました。
掲載内容は2021年9月時点のものになります。
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