事例
Case
スマートフォンやタブレットを活用し、安心確実な服薬チェックを可能にするシステムです。また、対応記録を自動的に保管するだけでなく、服薬業務の効率化や、ダブルチェックの解消に役立ちます。薬管理全般にお困りの介護施設などの使用を想定しています。
現場実証
服やっくん
服薬介助の負担を軽減するシステム「服やっくん」を現場で有効活用するためには、現場の受け入れ態勢を整えることが重要です。導入までのステップを明確化して、薬局との交渉や現場へのレクチャーなどを行い、導入環境を整理しました。開発企業のオペレーションに関する丁寧なサポートもあり、マンパワーに頼り過ぎない服薬介助がスタートしました。
SIDE
開発企業
弊社は福祉総合サービス企業として、有料老人ホームや高齢者対応住宅の運営事業にも携わっていますが、弊社が運営する施設で、誤薬や介助者の業務負荷の増大など服薬管理に悩む事例が起き、それを解決するために服薬支援システム「服やっくん」を開発しました。
Future Care Lab in Japan(以下、Lab)とお付き合いするようになったのは、介護機器の展示会がきっかけでした。その後、Labでの詳細な製品説明を経て、SOMPOケアの施設に導入し、実証評価を行いました。従来の服薬確認時間はそのままに、服やっくんのシステムに置き換える前提で現場実証を行いましたが、QRコードの読み込みに手間取るケースがあり、研修の実施が必要だと分かりました。また、Labのスタッフの方は服薬確認時間を1回1回ストップウォッチで計測していて、他の施設ではおおよその感覚やトータル時間でとらえていたのに比べ、緻密な確認を行うことに感心させられました。
服やっくんは、現在、全国214施設で導入稼働中ですが、今後、より「服薬」に特化したシステムにブラッシュアップしていく予定です。製品選定のプロフェッショナルとしてさまざまな製品を検証してきた知見の蓄積があるLabには、引き続き導入施設での使用感や機能についてのフィードバックやアドバイスをいただきたいです。そして、服やっくんの開発・改良に活かしていきたいと思っています。
SIDE
Future Care Lab in Japan
介護現場での服薬介助は、誤薬・落薬事故が起きないように、2名体制で「誰に、どの薬を、いつ投与したか」を確認し合うなど、さまざまなルールを検討して行っていますが、事故が起きるとルールの多重化・複雑化を招き、それが再発につながるという悪循環が生まれています。「服やっくん」はご利用者全員の投薬データベースに基づいて、QRコードによる服薬管理を行うので、マンパワーとシステムの2重チェックで人為的なミスによる事故を防ぐことが可能です。
展示会でこのシステムを知り、こちらから開発企業の方にアプローチをしました。後日Labでシステムの説明を受けた後、導入までのステップと初期登録ミスの可能性や操作を確認し、オペレーションルールの異なる2施設で比較実証評価を実施しました。1つは服やっくんの導入のみ、もう1つは居室ごとに薬を配置していた方法から一括管理に変更した上で、服やっくんを導入しました。システム導入に際して苦労したのは、導入する前段階の薬局との交渉や施設でのオペレーションをどうスムーズに進めるかという手順の部分でした。薬局にはQRコードを薬に張り付けるための印字機を用意してもらったり、施設の職員が新しい方法に慣れるまで3食すべての投薬を一気にシステム化するのではなく、時間を限定して使用するようにしたり、各所での受け入れ態勢を整えるのに時間と手間がかかりました。
開発企業から事前に時間と手間がかかることを教えてもらっており、導入までのステップを明確化できていたことがよかったと思っています。また、現場がオペレーションに不慣れな時、開発企業の方に親身になってサポートしてもらい、感謝しています。どのテクノロジーにおいても計画的にステップを踏んで導入を進めることが大切だと改めて実感しました。現在、複数の施設で実証評価を行い、導入も進めています。マンパワーに頼る服薬介助に不安を感じている施設や、誤薬防止のためのルールや記録によって人的・時間的負担がかかっている施設を中心に活用の可能性があると考えています。
掲載内容は2021年9月時点のものになります。
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