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在宅老人ホーム新宿
宮川 剛
管理者、介護福祉士
在宅の独居・日中独居のご利用者の中に、介護サービス利用時以外で、コミュニケーション機会があまり得られない方が多くいます。高齢のため、ペットを飼うことも困難で、代わりになり得るような存在がいたら良いのではないかと考えていました。
そんな折、LOVOTを用いたソリューションの共同開発をGROOVE XとSOMPOグループが行い、在宅で現場実証を実施するとの情報をLab から受けました。コミュニケーションや口や身体を動かす機会が増えるのなら、ご利用者にとって良いテクノロジーではないかと思い、早速実証に乗り出しました。
日常生活でコミュニケーションの機会が少ないご利用者が、実際にLOVOTと暮らすことで、生き生きした姿が見受けられました。気にかける存在が増え、ペットを飼っているような感覚でずっとLOVOTと話しをされていたからではないでしょうか。1ヶ月間暮らしていただいた後には、別れることが寂しそうな様子もうかがえました。
また、障害があり両肘を伸ばせないご利用者が、一生懸命手を伸ばしLOVOTの頭を撫でようとされる姿も見られました。訪問リハビリやデイサービスで行うような週に何度かの訓練よりも、日常、少量頻回の生活動作をする方が能力向上には効果的と言われており、その点でもLOVOTの存在は効果的だと感じました。LOVOTを可愛がりたいという意欲が、日常生活の動作の能力向上につながるのではないでしょうか。
期間限定の実証評価でしたが、ご利用者のコミュニケーションや口や身体を動かすことの機会が増加することが分かり、良い影響を与えていることを実感しました。
今後、ますますの改良を期待しています。私たちのお客様であるご利用者には、設置や操作にまだ困難な点があったからです。より使いやすく、より多くのご利用者に喜んでもらえるようなLOVOTを待っています。